Ethipor

Ethipor(エシポル)=Ethical(エシカル)+Português(ポルトガル語) *ポルトガル、ブラジルのエシカル情報を発信します。

ブラジル発・エシカルな飲料?!

BEBIDA ETICA

いきなりですが、みなさん!昨晩、もしくは今日食べた食物/飲んだ飲料を思い出せますか?
輸入・国産の食材、どちらも入っていましたか?「輸入品は使っていないかも」という方も、
お肉を食べた場合(国産・輸入に関係なく)、その飼料はブラジル・米国の大豆(=間接的に輸入品)だったということがあるかもしれません。

今回のエシポルでは、ブラジルのエシカルな飲料のお話をしたいと思います。
その前に。飲料・食物に関わるブラジルの農業のお話を少しだけ、お話させていただきますね。
もしかしたらその話は、「あなたが昨晩、もしくは今日食べた食物(もしくは飲物)」と関係しているかもしれません。

グローバル化する食卓の裏にあるもの
日本の23倍もの大きさを持つブラジル。そのブラジルでは、大豆、トウモロコシといった輸出のための工業型農業が近年活発化しています。それは、食卓にあがる食べ物がグローバル化している現代社会では、必然的な風景かもしれません。

一方で、こうした工業型農業に適した土地がブラジルで足りなくなってきていることと、輸出に向けた国内の輸送網の拡大に伴い、その地域に住んでいる先住民・小規模農民の土地が力ずくで奪われるということもブラジルで、今実際に起きています。当然、奪われた土地を取り返すために、抵抗運動は行われますが、その運動にかかわった人たちが殺されるということは、珍しくはないそうです。

正直、とても重く暗い事実です。ただ、一方でこうした工業型農業に代わる、もう一つのアプローチで農業に取り組む人たちもいます。そして彼らの農作物を積極的に市場へとつなげることでその動きをサポートしようと奮闘している人たちもブラジルにはいます。その1つが、KIROという飲料ブランドです。

ブラジルのローカル飲料ブランド:KIRO
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出典:KIRO

2017年、ブラジル・サンパウロで、ローカルな飲料ブランドが誕生しました。そのブランドは、「KIRO」です。
販売規模としてはまだ、大きくはないものの、サンパウロのバー、レストラン、カフェ、シェアオフィス等を通じて、じわじわと、そのファンを増やしているようです。一口飲むだけで爽やかなのどごしを感じられるKIRO。実は、KIROにはアルコールも炭酸も入っていません。

アルコールも炭酸も入っていないのにのどごしを感じられる飲料、、?一体何が入っているのでしょうか。その原料は、水、しょうが、りんご酢、そして蜂蜜です。

原料だけみると、シンプルで、健康によさそうな飲料という印象を持ちますが、KIROがパウリスタ(サンパウロの人)を惹きつけている理由は、どうやらそれだけではないようです。

たまたま見た記事を見て、作ってみたら、、、。
水、しょうが、りんご酢、そして蜂蜜。これを聞いてもしかして、「スウィッチェル?」と思われた方、正解です。スウィッチェルとは、17世紀~19世紀のアメリカで、特に畑仕事をしている人たちにとっては欠かせない、乾いたのどを潤す大事な飲み物だったそうですよ。

2014年。創業者であり、サステナビリティについて研究をしていたリーさんは、スイッチェルについて書かれた記事に偶然出会い、長年の友人であるグスタボさんと一緒にスイッチェルを実際に作ってみることにしました。「その記事を見るまで、もちろん、スイッチェルなんて作ったことも飲んだこともなかったよ。けれども、最初の一口でやられてしまったんだ。」と語るリーさん。その年に何度も何度も試作を重ね、家族、友人を巻き込みながら品質・味の改良を重ねていきました。

次第に、グスタボさんが働いているレストランでKIROを提供することで、家族、友人以外にもそのファンを増やしていったようです。

新たなメンバーも加わり、以前より販売規模を広げていったKIROは、2017年にビジネスを本格化させ、サンパウロの中心地やリオデジャネイロでも販売されるようになっていきました。なんと生産量の内9割は売れ、残りの1割はイベントで使うための試飲用などに使われるそうです。気になるそのお値段は(KIROのサイトで購入した場合)、1本(300ml入り)約¥240です。(9レアル)
決して、安くはない値段ですが、何がパウリスタ(サンパウロの人)を惹きつけているのでしょうか。

エシカルな飲料?
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KIROが特別な飲料である理由は、渇いたのどにキリッとしたのどごしをもたらせてくれている「しょうが」にどうやらそのヒントがあるようです。それは、そのしょうがが、化学農薬・化学肥料といったものを使わない製法で栽培されているということ以外にもう1つあります。それは、アグロエコロジーというアプローチが用いられているということです。

アグロエコロジーとは、生態系を守るエコロジーの原則が農業に適用されたものと言われています。

その特徴の1つは、自然の法則を積極的に活用するということが、挙げられます。例えば、「薬草、植物を植えることで害虫から作物を守る」という例のように、化学農薬・化学肥料を使わずに、自然の法則を活用しながら栽培する方法は、その一例です。

ところで、化学農薬・肥料を使わないということは、人(生産者・食べる消費者)だけでなく、今進行中の気候変動問題に対しても大きなメリットがあるのを知っていましたか?

それは、土壌菌が健康的である豊かな土壌は、炭素をしっかりと吸着してくれるので、気候変動問題の重要な救世主になってくれるということ。それに、化学肥料・農薬に頼らないということは、化石燃料に頼らないということでもあるということです。(化学肥料・化学農薬は、化石燃料なしには製造できないそうなので、持続的なアプローチとは言えませんね。。。)

KIROは、主原料のしょうがをアグロエコロジーを実践している組合から購入していますが、プレイヤーが、世界の主流である工業型農業ではなく、小規模生産者であることもアグロエコロジーの特徴の1つです。そして、アグロエコロジーでは、小規模生産者の主体性とその地域の文化的なアイデンティティ(例えば、その土地の気候にあった、且つ在来種の農作物をつくる等)が尊重されます。そういった意味で、オーガニック栽培にプラスして、社会的な側面も持ったアプローチといえますね。

「アグロエコロジーを取り入れるという事は、他の商品と差別化することができます。一方で供給量・ロジスティック面からいうと正直、不安定な要素があることも事実です。」と語るリーさん。では、アグロエコロジーを取り入れた製品を作ることは、KIROにどんな意味を持っているのでしょうか。「KIROが誕生した理由の一つには、アグロエコロジーを普及させるという目的がありました。健康的なもの(飲料)をただ作るだけでは、不十分です。今、私たちが抱えている問題に向き合うこと。そして、それに対してできることを模索していくという事はとても大事なことだと思っています。」

グローバル化する食べ物とその裏にある見えない影。
巨大化した工業型農業が広がる中で、彼らの挑戦は、今、始まったばかりなのです。

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参考文献:
・印鑰智哉著、小池洋一・田村梨花編『抵抗と創造の森アマゾンー持続的な開発と民衆の運動』(現代企画室、2017年)
・印鑰智哉:http://blog.rederio.jp/archives/2799
・THE GUARDIAN:https://www.theguardian.com/environment/2019/feb/20/european-farms-could-grow-green-and-still-be-able-to-feed-population
・SOIL ASSOCIATION:https://www.soilassociation.org/what-we-do/better-food-for-all/transforming-the-way-we-all-farm/an-introduction-to-agroecology/
・BUSINESS INSIDER:https://www.soilassociation.org/what-we-do/better-food-for-all/transforming-the-way-we-all-farm/an-introduction-to-agroecology/
・MONGABAY:https://news.mongabay.com/2018/12/amazon-soy-boom-poses-urgent-existential-threat-to-landless-movement/


ポルトガルと山と再生可能エネルギー.と。

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スウェーデン、デンマークに次いでヨーロッパ第3位の再生可能エネルギー消費国。さらに今年に入り、2030年までに国内の消費電力の内80%を再生可能エネルギーに変えていくことを表明した国。

その国は、、、。ポルトガルです。

「え?」ドイツではなくて、ポルトガル?

今回は、そんなポルトガルと再生可能エネルギーについて少し、お話したいと思います。

リスボンからバスで約1時間。ブドウ畑に囲まれた、モシュカテルワインの生産地・パルメラ。人口約6万人(2011年)のちいさな町です。

昨年の秋。私はその土地に足を初めて踏み入れ、ポルトガルのサステイナブルな側面をちょこっと、覗かせていただきました。ところで、なぜ「パルメラ」を選んだと思いますか。

詳細は、次回以降のエシポルでレポートをさせていただきますが、この町では偶然にも、自然エネルギーを使って生活をしている方々と出会うことができました。

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“ポルトガル人の環境意識?若い世代を中心に環境への意識は高まってきているのを感じているよ”(パルメラの住人)

私が拠点にしていた場所は、山々に囲まれた場所という表現がぴったりの場所。そこで出会った方々の多くは、自然と共生しながら生活をしていました。そして、滞在も終盤に差し迫ったころ、天気がとても良かったので、友人達とピクニックもかねて、近くの山を登ることにしました。

朝食を済ませた後、山頂を目指し歩いていたのですが、しばらくして、小さな山小屋が見えてきました。山小屋のベランダから、住人と思われる一人の男性が外を眺めていたので、私たちは「あなたの家ですか?」と尋ねてみることにしました。すると、「はは、私の家ではないよ。火事にならないように山全体を見守っている管理団体だよ。」と、その方は笑いながら、答えてくれました。

その山小屋の屋根に目を向けてみると、太陽光パネルが設置されていました。実際使っている電力の内、太陽光がどれくらいの割合を占めているのかを知りたかったので、その点を質問をしてみました。

すると、ここでは、100%太陽光エネルギーでまかなっているということを教えてくれました。

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その男性は、「毎朝山のゴミ拾いをしているのに、平気でポイ捨てをする観光客も中にはいるから、ゴミが中々減らないんだよ。ここまでに来る間にゴミを見たでしょう?[ゴミは捨てないで!]という看板をこれから作ろうと思うんだけれど、、、。どういうのがいいと思う?」という話を気さくにしてくれたり、再生可能エネルギー政策をはじめとする、ポルトガルの環境政策に対して熱心に話をしてくれました。

私が今回の旅で、何人かの方々にした質問。「ポルトガル人の環境意識(一般的に)についてどう思いますか?」という私の質問には、このように答えてくれました。

「ポルトガル人の環境意識?そうだね、世代によって考え方は違うと思う。例えば、僕の印象としては、若い世代を中心に環境への意識は高まってきているのを感じるよ。まぁポルトガルは、山火事も多いし、水不足の問題等もあるし、そういった自然災害をきっかけにだんだん環境への意識も高まっているのではないかと思うよ。」

再生可能エネルギーに力を入れる理由

パルメラからリスボンに戻った後、私はポルトガルで再生可能エネルギーを推進している協同組合・Coopérnicoを訪ねました。2013年に設立されたこの組合は、現在、約1,200人のメンバーが所属しています。(2018年)
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この組合は「ローカルファスト」を掲げ、メンバーの出資金で国内の再生可能エネルギーのプロジェクトをいくつも動かしています。

私が訪ねたときは、2人のメンバーが対応をしてくれたのですが、彼女たちは、数年前にポルトガルが4日間100%再生可能エネルギーだけで電力をまかなえたことをとても誇りに思っていると語ってくれ、これからも組合として再生可能エネルギー推進に向けて力を尽くしていきたいと語ってくれました。

最後に。私がこの旅で一番知りたかったこと。
それは、なぜポルトガルが世界でも有数の再生可能エネルギー発電・消費国になれたのか。

「ポルトガルは、自然環境にとても恵まれた国。そして、ポルトガルには、成長が見込める分野は他になかった。だから国として再生可能エネルギー分野に注力したんじゃないのかな?」
パルメラで持続可能な生活を実践しているポルトガル人達の言葉を心に残し、ポルトガルをあとにしました。
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2030年に向けてさらに、再生可能エネルギー消費率を倍増させることを決意表明したポルトガル。そのポルトガルの環境政策を今後も、見守っていきたいと思います。

「タバコのポイ捨ては、ダメ。」の本当の理由。

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世界中のビーチで最も拾われているゴミとは?
日本を含めて世界中で今、問題になっている海洋プラスチック汚染。
昨年の秋に、オーストリアのウィーン医科大学の胃腸病学者が発表を行った、「サンプリングをした国籍の異なる8人全員の排泄物から、マイクロプラスチックが検出された」というニュースは、衝撃と同時に、多くの方にとって、「できることから環境にとって何かポジティブなことをしてみよう!」と思うきっかけになったのでは?と思います。(私自身も、その一人です^^)(Business insider)

ところで、「世界中のビーチで、ビニール袋や、プラスチックストローより多く拾われているものがある」という事を知っていましたか?

それは、「タバコの吸い殻」です。(Ocean Conservancy)

ビーチでポイ捨てしなければいいの?
残念ながら、道端にポイ捨てされた場合も、風で海まで飛ばされたり、また、ポイ捨てされたものが、道路でよく見る「側溝」と呼ばれる溝に入ってしまった場合、そこから直接、河川へと流れこんでしまうようです。

私は知らなかったのですが、側溝を通じて雨水管に入ったものは、処理されずにそのまま河川に排出されるそうですね。*分流式の場合。(不動産トラブル弁護士ガイド)ちなみに、日本では、多くがこの分流式のようです。

となると、道端のポイ捨てってかなり危険な行為、、、。ですよね?

たかが、タバコの吸い殻一つ。けれど。。
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ところで、タバコは、一体何でできていると思いますか?

タバコというのは、そのフィルター部分は、酢酸セルロースと呼ばれる、一種のプラスチックでできているそうです。そのため、どんなに時間が経過したとしても、海の中では完全に分解はされないとも言われています。 (Ocean Conservancy)

では、完全に分解されなかったタバコのフィルターは海の中で、どうなってしまうのでしょうか。それは、ビニール袋、ペットボトルといった他のプラスチック製品と同様、太陽光、海の波などで細かく砕かれ、最終的にマイクロプラスチックへと変わっていく、、、。ということですね。

タバコの吸い殻がもたらすものは、マイクロプラスチック問題だけではありません。タバコが持つその有毒性は、海・河川の中でも、問題になっています。サンディエゴ州立大学の研究では、たった1本のタバコの吸い殻を入れた水(1リットル)は、海産魚や淡水魚を死へと至らせる程有毒なものになることが示されています。
(Guardian)

タバコの吸い殻をなくそう!!キャンペーン
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出典:o Projeto Mundo sem BITUCAS

ブラジルのサントス。ここは、コーヒーや大豆等の輸出拠点で有名な湾岸都市です。
そんなサントスで、今、ユニークなキャンペーンが行われています。

キャンペーンの名前は、o Projeto Mundo Sem BITUCAS(日本語訳:タバコの吸い殻をなくそうプロジェクト)。彼らが行っていることは、町や海でタバコの吸い殻を拾うことだけではありません。

彼らのミッションは、喫煙者も非喫煙者も関係なく、より多くの人に、タバコの吸い殻が与える社会・環境への影響について関心をもってもらうということです。

学校で、生徒や先生、職員を対象に講義・ワークショップ等を行ったり、講演会では、喫煙者・非喫煙者を交えながら意見交換を行うことで、多くの人を巻き込みながらタバコの吸い殻(ポイ捨て)問題についての解決策を探っています。

Youtubeには、正しいタバコの捨て方を歌(ラップ調)にのせて、啓蒙しているグループの姿が見れます。この音楽が、意外と(?)かっこよく仕上がっていて、「なんだか楽しそう!」と思わせてくれます。今後、どのように展開されていくのかが楽しみではありませんか?

タバコの吸い殻が、何かに変わる・・・?
また、ブラジルではタバコの吸い殻をリサイクルする動きも出ています。

ある調査によると、サンパウロ州では1日約3,400万本のタバコがポイ捨てされているという集計もあるそうです。3,400万本。。。

なんだか想像しにくい数字ですが、その数というのは、70平米(家族3~4人で暮らすことができる広さ)の部屋を埋め尽くすことができるそうです。(Ciclo vivo)そんな中、サンパウロ州にある島・イーリャベーリャでは、最近、島全体でとあるプロジェクトを進めていくことを表明しました。

それは、タバコの吸い殻をきちんと回収し、集めたタバコの吸い殻をリサイクルするという取り組みです。

吸い殻をリサイクル?

そうなんです。回収されたタバコの吸い殻は、ブラジルのブラジリア大学が開発した技術を使い、セルロース繊維へと変わり、紙の原料になります。最終的には、ノートや、手帳等にも使える紙になるそうですよ。(Tamoios news)
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出典:Tamoiosnews: 島では、72箱の吸い殻回収箱が設置され始めました。

ポイ捨てを防止するために、道に回収箱を設置する。そして、吸い殻をリサイクルし、紙の原料へと変えていく。なるほど、中々画期的な取り組みだと思いませんか?

もっとも、環境にとっても人にとっても良い選択とは、「吸わない」こと。ですけれどね!

聞いてみました!「リリーさんのマイエシカル」

タイトルなしのコラージュ

最近、色々な方から、「エシカルなことに興味はあるけれど、何からはじめたらいいのか分からない。。!」という声を、よく聞くようになりました。私も、日々の生活にどう取り入れるかは、まだまだ模索中です。ただ、最近気づいたことは、エシカルは意外と身近なところから始められるのでは?ということです。それも、誰でも、気負わず、そして楽しく。

日々の生活の中に1つでも、自分だけの「マイエシカル」があると、素敵ですよね。

そこで、今回は、隠れ環境先進国でもあるポルトガル出身のリリーさんに、マイエシカルをインタビューしてみました。もしかしたら、エシカルを始める上での、何かヒントが隠れているかもしれません。

リリーさんにとってのエシカルとは?
-エシポル:まずはじめに、「エシカル」と聞いて何か思い浮かぶことってある?

-リリーさん:そうね、、エシカルって、とても意味が広い言葉だと思う。ただ、エシカルに生活をすると考えたときにまずはじめに思い浮かぶことは、動物の権利かな。実は私、普段からあまりお肉を食べないの。

リリーさんがお肉をあまり食べない理由
-エシポル:あまりお肉を食べなくなったきっかけって何かあるの?

-リリーさん:小さいころから家族があまりお肉を食べなかったというのもあるけれど、マクロビオティックを実践しているおじや、ベジタリアンの妹からの影響も大きいかな。今の一番の理由は、環境問題と動物の権利が気になるから。

-リリーさん:まず、環境へのインパクトを考えてみると、肉となる牛を育てるために大量の水と穀物が必要ということは、結構、大きい問題だよね。

-エシポル:そうみたいだね。たった450gの牛肉を作るために必要な水は約1万リットル、1kgの牛肉を作るために必要な穀物は、その11倍の11kgという事実を知ったときは、私も正直びっくりしたよ。
Cow spiracy: (http://www.cowspiracy.com/facts)
アニマルライツセンター:(https://www.hopeforanimals.org/environment/203/)

地球の資源は有限である中、地球1個分の生産力に対して、わたしたちは今、1.7個分の利用をしてしまっているともいわれているし、、。(WWF:https://www.wwf.or.jp/aboutwwf/earth/)

-リリーさん:ただ、難しい問題だと感じるのは、環境の面でいえば、人が生きている限り、地球環境に負荷を全くかけない生き方は存在しないのでは?ということ。お肉の代わりに例えば、大豆を消費すれば、その分森林が伐採され、大豆畑ができるし、、。

私が飲んでいるアーモンドミルクもだよね。牛乳の代わりにアーモンドミルクが良いからといって、それをたくさん飲めば、その分アーモンドを育てるためにたくさんの資源が使われてしまうよね。

と、考えると、いったい何がいいのか分からなくなっちゃうよね。けれど。大事なことは、まずは事実を知って、自分が選べる選択肢の中からよりよい選択をすることだと思う。

-エシポル:リリーは「動物の権利」についても言ってたね。

-リリーさん:そう。人が食べるために動物が犠牲になるのはもちろんかわいそうだけれど、そもそもそういった「動物たちの権利」というものが完全に無視されている気がする。

お肉になってくれる牛たちだけでなく、牛乳をつくってくれる牛たちに対しても、ちょっと考えるところがあって、、、。だから、牛乳といった乳製品はあまりとらないようにしているの。

-エシポル:そうなんだ。牛乳の代わりに飲んでいるのはアーモンドミルクっていった?

-リリーさん:そう、アーモンドミルクを飲んでるよ。そのままでもおいしいけれど、コーヒーに入れたりして使っているの。まぁ、使い方は牛乳を使うときと全く同じ。

-エシポル:でも、アーモンドミルクってちょっと高くない?

-リリーさん:そうなの。お店で買うと高いから、通販で買ってる。その方が安いからね。

-エシポル:なるほど。アーモンドミルクは高いから毎日は続けられないなぁ、と思っていたけれど通販だと安いのね。私もネットでちょっと、見てみよう!


1つの卵が教えてくれること


ところで、みなさん。採卵用のヒヨコがオスだった場合、その後どうなるか知っていますか?実は、彼らの運命は、卵を産まないので識別後すぐにその場で処分されるそうです。その数は、日本だけで年間約一億羽。

1つの卵が教えてくれること。それは、「わたしたちは毎日、命をいただいていて、彼ら(それは、卵だけではなく)によって生かしてもらっている。」ということですね。
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*数年前になってようやくドイツとリトアニアの大学研究チーム(←Huffpostの記事です。)が卵にレーザーを当て、オスとメスを見分ける技術を開発したそうですが、アニマルライツセンターさんに確認をとると、日本ではまだその技術が導入されていないとのことでした。

リリーさんが大切にしているもの
-エシポル:食べるお肉の量を減らしたりすることは、リリーにとってのマイエシカルなんだね。

-リリーさん:そうだよ。

-エシポル:ところで、身近に実践できるエシカルなことの1つがエシカル消費とも言われているけれど、そもそも、リリーにとってエシカル消費って何だと思う?

-リリーさん:ものを長く使うこと。

-エシポル:大事だね!それって、必ずしもエシカル製品を買うだけではないということだよね。ものを大切にする感覚を持つという事かな?

-リリーさん:そう。新しいものを買うというよりは、今あるものを使い続けるということかな。

-エシポル:すばらしい。ところで、今日つけているその時計素敵だね?どこで買ったの?

-リリーさん:これ?今はもう亡くなってしまったおばあちゃんのものだよ。CITIZENだったかな。これは、私にとって大事な時計。

-エシポル:おばあちゃんの思い、気持ちがはいっているもんね。

-リリーさん:そう、仮に同じものを新品で買ったとしても、私にとっては同じ時計ではないというか、、、。このおばあちゃんの時計は、私にとってはずっと特別なものかな。

-エシポル:リリーにとって、この時計にはストーリーがあるもんね。
その人にとって何か特別な思い入れがあるもの。そして、もしそれを大切に長く使うのであれば、それもエシカル消費につながっていくね。

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おばあちゃんから、リリーさんへと受け継がれた時計。

ところで最後に、日本とポルトガルを比較してエシカルという観点で見たときに何か違いを感じることってある?

-リリーさん:あるよ~。例えば日本はビーガンのレストランが少ない。それに、ベジタリアン、ビーガンメニューもまだまだ少ないなと感じるよ。それが日本でビーガンの人があまりいない理由じゃない?

-エシポル:でも最近は、東京だと結構見かける気がするけどなぁ。

-リリーさん:東京でも一部のところに集中しているよ~。この間妹が日本に来たんだけれど、何を食べさせていいかとても困ったの。そもそも、ベジタリアンレストランも、メニューもあまり見つけられなかったから、、、。私は今東京に住んでいるんだけれど、私が住んでいる町にはビーガンレストランは一つもないんだよね。

-エシポル:確かに、そういわれてみると一部のところに集中しているのかも。そういえば、ポルトガル、特にリスボンはビーガンメニュー、レストランが多いなとはこの間旅をして感じたんだけれど、ポルトガルから来たリリーからすると余計にその点が気になっちゃうのかもね。

-リリーさん:そう、気になる。日本でもっとベジタリアン、ビーガンレストランが増えるといいな!

〇インタビューの終わりに、リリーさんおすすめのポルトガルと日本のビーガンレストランをご紹介いただきました。ポルトガルに行った時でも、東京に行ったときにでも、ぜひ参考にされてみてくださいね!

〇リスボン:
Food Temple: 1100-289 Lisboa,Beco do Jasmim 18
●東京:
Kiboko:東京都新宿区新宿2-5-8志村ビル4F
こちらは、私も行ったことがありますが、個人的にもお勧めです!!雰囲気もお料理も素晴らしいです。
東京都新宿区新宿2-5-8志村ビル4

世界初?!なブラジルのエシカルプロジェクト

CONSUMIR ORGANICOS


オーガニックをみんなに!

日本の国土の約23倍を持ち、文化的にも環境的にも、どの側面から切り取ってみても「多様性」という表現がぴったりとあてはまる国、ブラジル。そんなブラジルの都市・サンパウロには、いつもにぎわっている場所があります。
そこの名前は、Instituto Chão.

にぎわっている理由には、新鮮なオーガニック青果・加工品(チョコレート、コーヒー、ソース等々)が買えるからということがありますが、実は、それだけではないようです。

フェアであること

Instituto Chãoは、2015年に誕生した非営利団体組織で、生産者たちから直接、オーガニック製品を適正な価格で買い、販売しているところです。この組織が誕生したストーリーには、創設者たちの「ある現実を変えたい」という強い思いがありました。

その現実とは、小規模生産者たちが、手をかけて作物を育てたにも関わらず、販売先ルートを持っていなかったり、見つかったとしても小売りの段階で搾取にあい、適正価格で取引ができていないケースが多くあるということでした。

適正な価格で生産者から物を買う。実は、そうしたフェアな態度は、生産者とだけではなく、消費者に対しても現れています。

仕入値=販売価格?
驚くのは、その販売価格。なんと、ここで買えるオーガニック製品は、すべて仕入値で購入できます。現地のブラジル人の話によると、オーガニックスーパーやオーガニックマルシェで買う価格より、ここで買った方が3~5倍は安く購入できるとのことです。しかも、新鮮。

創設者の1人であるファビオさんの話によると、多くの場合、生産者ではなく、小売業者に利益がいく構造になっていて、それがオーガニック製品=高いというイメージを作り上げている1つの要因でもあるとのこと。

''オーガニック製品は、もっと多くの人が手にすることができるはず''


彼らのプロジェクトは、オーガニック製品は高いというイメージを覆すための、大きなチャレンジでもあるといえます。
ただ、どうやってこのプロジェクトは運営できているのか、気になりませんか?

PREÇO JUSTO

唯一の資金源は、購入者からのコントリビューション(寄付)
Instituto Chãoの適正価格=仕入値+購入者が適正だと考える金額

もちろん、ルールはあります。購入者はお会計金額から35%のコントリビューションを
することが求められています。(それでも、オーガニックスーパーやオーガニックマルシェで買う価格より安いです。)が、それは義務ではないようで、それぞれが適正だと考える金額をプラスしてもらえばよいそうです。

彼らが大事にしているのは、あくまでも購入者の主体性であり、このプロジェクトを維持したいと思えば、コントリビューションをしてくださいというスタンスのようです。

でも。本当に、、、それで運営できているのでしょうか?
INSTITUTO CHAO
出典:Instituto Chão

実は、壁に掛けられいてる黒板が、重要な役割を果たしています。この黒板には、プロジェクトを運営するために必要な月当たりのコスト(人件費、管理費といったすべてのコスト)と現在ある資金(コントリビューションされた金額)が包み隠さず、書かれています。
プロジェクトを運営・維持するために必要なお金の収支を見える化することで、購入者がこのプロジェクトの運営ルールを理解し、コントリビューションしやすいように工夫がなされているのです。

実際に、様々な層の人が訪れ、それぞれができる形で賛同=コントリビューションしてくれていているようです。(それだから、今日現在も運営している、ということですね。)

オーガニック製品をお手頃な価格で購入できることで人気を集めていますが、「オーガニックをみんなに」ということだけでなく、他にも彼らが大事にしていることがあります。
それは、、、?

物と空間のシェア

Instituto Chãoは、価格だけではなく、その空間もみんなに開かれている「場」です。それは、資金的なコントリビューションでも、彼らとプロジェクトについて議論をしたりすることでも、それぞれができる方法でこのプロジェクトに参加し、一緒にプロジェクトをよりよい形で発展させていくということを意味しています。そして実際に、彼らはその部分をとても大事にしているというのです。

ユニークで、そして新しい形のプロジェクト。
オーガニック製品をお手頃価格で買えるだけでなく、それぞれの主体性を大事にしながら、みんなが一緒になってこのプロジェクトを作り上げていく。色々な面で、一歩先をいっているプロジェクトですね。そして、実際にちゃんと運営できているのが、すごいですよね?日本にもこんな場所があれば、、、と思ってみたり。さて、これから、どんな形でこのプロジェクトが発展していくのか、、、、。このプロジェクトの今後が今からとても楽しみです。

●Instituto Chão
住所:Rua Harmonia, 123 Vila Madalena,São Paulo
月曜~土曜(8時~14時)