結局、エシカルって何だっけ?

●エシカルを、、、かんガエル🐸第一弾の前編。
環境や社会に配慮した行いという意味を持つエシカル。[う~ん、なんだか少し分かりにくい。ですよね?]。ということで、今回のテーマは、「結局、エシカルって何だっけ?」です。
ただ、多くのことに「絶対」はないのと同じで、これは、私の視点からみたエシカルの解釈です。なので、きっと、その解釈は人の数だけあるのだと思います。
そもそもなぜ、今エシカル?
1.ふと浮かんだ疑問。「今日までは、ジブンにとっては全く問題なかった(かもしれない)。
けれど。明日からは?」:
おそらく多くのみなさんが、自然の大切さについては認識されているかと思います。
ただ、ついつい忘れがちになってしまうことの1つが、自然は「無限」ではなく、「有限」であるということではないでしょうか。
突然ですが、日々の生活で「水は貴重だなぁ」と感じたことってありますか?
(蛇口を「ピュイッ」とひねれば、好きなだけ?出てくるので、個人的には感じたことはない、、、のですが。)
そんな水ですが、地球の表面は71%の水で覆われているようです。「なんだ、そんなにあるの?」と思ってしまいますが、
実はその内訳は、海水(=飲めませんね。)が96.5%、残りの3.5%が淡水(=人間も利用可能)だそうです。
水は無限のように見えますが、人間が使用できる水という観点で見ると、たったの数パーセントなんですね。
そしてさらに踏み込むと、その数パーセントの多くは深い地下層にあるため人間が簡単には使えるものではないそうです。
それでは、一体人間が利用できる水(飲み水や料理に使う水等)って、どれだけあるのでしょうか。
アメリカ地質調査所が発表しているデータによると、その量は、93.113㎦。地球の直径にすると、約56Kmだそうです。つまり、地球上に住んでいる人(動物もですね!)が利用できる水は、直径にすると、56Kmしかないということなのです。
(USGS:https://water.usgs.gov/edu/earthhowmuch.html)
シンプルな事実。それは、自然は無限ではなく、有限であるということ。
実際のところ、今の地球の状況って?
WWFのデータによると、わたしたちは今、地球の生産力以上の消費をしてしまっているようです。
もっと具体的に見てみますと、地球1個分の生産力に対して、わたしたちは1.7個分の利用をしているとのことです。
(WWF:https://www.wwf.or.jp/aboutwwf/earth/)

これを理解しようとすると、地球は無理して働いている、、ということでしょうか。
人間に置き換えてみると、今の地球は、完全に「キャパオーバー」の状態ということですよね。
人間がキャパオーバーすると、身体や精神面で不調のサインがでますが、
まさにここ数年感じる異常気象等が地球にとっての体調不良のサインなのでしょうか。
日常生活も、経済活動も、そもそも資源があるからこそ、、、成り立っていますね。
この状態が続いてしまったら、、、?

2.物を買うときの基準って何だっけ?
買い物をするとき、「値段」は、大事ですね。いかに安く買いたいものを買うかは、当然のことだと思います。
ただ、1つだけ知っておきたい事実があります。
私は現在、一般社団法人エシカル協会主催の講座に通っていますが、
そこで先日、フェアトレードについて話を伺い、改めて気づかされたことがあります。
チョコレートの原料となるカカオ、コーヒーの原料となるコーヒー豆、洋服や日用品には欠かせないコットン(綿)といった原料は外国で作られているということ。
そして、その原料のおかげで、私たちはコーヒーを飲めたり、チョコレートを食べたり、ファッションを楽しめるということ。
それは、今は当たり前といえば、あたりまえかもしれません。
ただ、一方でわたしたちが求める「安さ」を生み出すために、生産国側では、働いてくれている人に対して正当な給与が支払われなかったり、生産効率のために必要以上の農薬を使用することで、環境はもちろん、働いている人の健康にも害を及ぼしているという事実があるということ。
例えば、2014年にはコットン栽培のための農薬被害によって20万人のコットン農家の方がなくなったそうです。(Pesticide Action Net Work UK(June,2018))
何かを購入するときに安さを求めるのは、当然です。
ただ、もし、その安さがわたしたちと同じく、毎日一生懸命働いている誰かの犠牲によって成り立っているとしたら。。。?

毎日飲んでいる一杯のコーヒー、おやつに口にするチョコレート、そして今着ている服の裏にあるストーリー。
たしかに、ストーリーを知らなくてもわたしたちはきっと、明日も一か月後も買い物をすることができます。
ただ、私たちが安さを求めるあまり、生産効率のための農薬等を必要以上に生産国側が
このまま使用し続けたら?
わたしたちが安さを求めるあまり、働いている人が正当な給与を受け取れずに
生活水準を下回る生活を続けることで働けなくなってしまったら?
そうなったら、私たちは今のようにチョコレートやコーヒーや洋服を買い続けることはできるのでしょうか?
そう考えてみると、環境や社会に配慮した行いとは、「きれいごと」の一言で終わらせられるものではなく、結局はジブンゴト
(自分と、これから大きくなる子たちのため)につながりますよね。
わたしたちが持続的に生活を続けていくというためにも、環境、社会へのインパクトを少しでも考えてみる(想像する)こと。
これって、これからの自分たちのためにも、とても大事なことなのではないでしょうか。
そしてそれに気づくことが、エシカルへの一歩だと思うのです。
エシカル消費
新年を迎え、今はまさに買い物が楽しいシーズンですね。
この時期だけでなく、買い物をするって日ごろよく行うことですよね?日ごろ行うことだからこそ、「消費」とは、いい意味でも悪い意味でも社会や環境に与えるインパクトは大きい!と思います。
さて、実はこうした世界(日本も含め)で起きている地球環境問題、貧困問題、人権問題といった問題を消費者として解決するひとつの有効な手段に、エシカル消費というものがあります。エシカル製品を購入することは、エシカル消費の一つです。
エシカル製品とは?

① 素材(原料)や生産レベルから、製品のストーリーが見えてくるもの。どういう人たちが、どこでつくったのか。そういった意味で、労働搾取をせず生産者の顔が見えやすいフェアトレード製品、地域社会貢献にもつながる伝統工芸品、地物もエシカル製品ですね。
②生産レベルだけでなく、消費レベルでも環境負荷低減に貢献できるもの。
例えば、持続可能な森林(FSC認証)または漁業マーク(MSC認証)を取得した製品、オーガニック製品、省エネ製品、物のレンタル・シェア、古着等々。
こう考えてみると、意外とエシカル製品って身近にあるものですね。
ただ、忘れたくないこととしては、エシカル製品というのは義務で買うものではないということ。その製品が持っているストーリーに共感した、とか、単純にデザインに一目ぼれした等、何か自分にとって心に響くものがあれば、購入すればいいのかなと。その方が購入したものと長く付き合えそうですしね。
ただ、エシカル製品って理念は一度置いといて、製品だけを見ても魅力的なものがかなり多くて、毎回選ぶときは、困ってしまうのも事実です、、、。素敵なブランドさん、たくさんです。
なので、エシカル製品については、改めて特集記事として書きますね!
そしてさらに、少しだけプラスしたいこと。例えば、エシカル製品がいいからといって、それを大量生産・大量消費してしまうことになってしまったら、それはどうなのでしょうか。
そうなってしまうと、結局は資源を膨大に使うことにつながり、最終的には本末転倒になってしまうのかな、と思います。
エシカル消費というのは、エシカル製品を新たに買うだけではなく、今あるものを最後まで使う(または、人に譲る)ということも大事なエシカル消費だと思います。
もちろん、毎日エシカル消費なんてできないので、例えば、買い物をする5~6回に1回はエシカル製品が置いてあるお店、リサイクルショップ、ネットショップ等をちらっと覗いてみたりしてみるということだけでも、いつもと違う視点で物事を見れるので、それだけでも実はとても楽しいです!
さて、それでは実際にエシカル消費で何ができるのでしょうか。
エシカル消費ができること
まず、この映像(ここをクリック)をご覧ください。これは私が「エシカル消費」をはじめて知ったときに、見た映像です。とてもシンプルですが、「エシカル消費」ができることを集約している一つの例だと思います。以下、この映像の話をしますので映像を見る前に内容を知りたくない方は、映像をご覧になってから、記事を読んでくださいね。(映像は、約2分で見れます。)
これは、ベルリンで実際に行われた実験です。
①2ユーロのTシャツを販売している自動販売機が広場に置かれる、②その自動販売機に人が集まり、2ユーロを投入する、③お金をいれると、その2ユーロのTシャツのストーリが流れる(時給13セント(日本円で約13円!)で16時間労働/日といった内容)④ストーリーが流れた後、それでも「購入しますか?」という選択肢が購入者に与えられる。
さて、実験結果はいかに、、、。
実験の結果によると、8割の人が2ユーロのTシャツを、「購入しない」を選んだそうです。この実験で分かったことは、「人はストーリー(事実)を知ったら、行動を変えることができる」ということ。そして、「消費者が行う選択(買物)というのは、現状を変える力を持っている」ということ。
確かに、、、物やサービスをつくる企業さんは、消費者が求めないものは作りませんよね?
逆に、地球環境や社会のことを考えて作られた製品を消費者が求めて、応援(購入)すれば、
世の中はどのように変わっていくのでしょうか。
物を買うことって、普段何気なく行っていますが、実はその一回一回が世界を少しでも、
良い方向へ変える力(チャンス)を持っている、、ということを忘れないでおきたいなと思います。

さて、後編は「マーケットはエシカルを求めているのかな?」と「ブラジル、ポルトガルのエシカルな○○」。
お楽しみに🐧