マーケットはエシカルを求めているのかな?

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「エシカルをかんガエル🐸」第一弾の中編。
前編(こちらをクリック)では、「なぜ今、エシカルが求められているのか」、「エシカル消費ができることって?」などなどをお話ししました。ただ、こう思いませんでしたか。「でも、マーケットはエシカルを求めているの?」って。実際のところは、どうなのでしょうか。それでは、一緒に見ていきましょう。

マーケットとエシカル
実は、2014年にニールセンがグローバルな調査(60ヵ国3万人のインターネット利用者を対象に実施)を行い、その結果を発表しています。その調査結果によると、回答者の過半数を占める55%の人々が、エシカル(社会や環境へ配慮した行い)な企業からの製品(または、サービス)を積極的に購入したいと回答しています。

その傾向が最も強い地域が、アジア太平洋(64%)、ラテンアメリカ(63%)、中東/アフリカ(63%)、北アメリカ(42%)、ヨーロッパ(40%)となっています。また、実際にここ半年で最低一回はエシカルな企業から製品(またはサービス)を購入したかという問いに対しては、52%の人が「はい」と答えています。ちなみに、世代別に見てみると、もっとも強い関心を持っている層はミレニアル世代(21~34歳)だそうです。

グローバルに見てみると、人々は、エシカルに対して高い関心を持っているということですね。
(NIELSEN:https://www.nielsen.com/us/en/press-room/2014/global-consumers-are-willing-to-put-their-money-where-their-heart-is.html)

エシカルをうたうことのデメリット
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一方で、このような意見もあります。多くの消費者がエシカルを求めてはいますが、だからといって企業/ブランドがエシカルを声高に叫ぶことを消費者は求めているわけではないと。この記事によると、逆にエシカルをうたうことのデメリットもあげています。

その一つに、例えばその製品がエシカルということで、品質や価格の面で消費者にネガティブなイメージ、偏見(品質は本当によいのか、価格が高いのでは等)を持たせてしまうのでは、ということです。そのため、エシカルを取り入れてブランディングする際にはエシカルをうたうより、まずはエシカルを行動であらわす方がよいとのこと。

また、この記事によると、エシカルという言葉(エコ、サステイナブルといった関連用語も含めて)を封印しつつも、実際にエシカルなビジネスを実践しているラッシュさんは、エシカル企業として理想的なモデルのようです。
(Guardian:https://www.theguardian.com/media-network/2015/mar/26/brand-business-ethical-lush)

実は、ラッシュさんがエシカル企業ということを私は全く意識していなかったのですが、今思えば、確かにマルシェに置かれている野菜のように、パッケージがないネイキッド商品って、環境に配慮した販売方法だなぁ、と今さらながら気づきました。(店頭では特に、環境のために行っているとかいう、アピールはなかった気が、、、。)

そこに、見えないメッセージ(=消費者との対話)が隠れていたのでしょうか。

気になってラッシュさんについて少し調べてみましたが、原料調達の過程で既に環境や社会に配慮した選択を積極的に行われているのですね。でも、なんというか、エシカルということを言葉でアピールしているわけでもなく、当たり前のように実践されている印象がします。特に「エシカル」を意識しているわけではないけれど、行っていることは普通に「エシカル」。ラッシュさん、時代を先取りしていらっしゃるのですね。

いずれにせよ、少なくとも、このニールセンの調査で分かったことは、実際にグローバルマーケットはエシカルを求めてはいるということ。ですよね?

日本のマーケットはエシカルを求めているの?
 それでは、日本のマーケットはどうなのでしょうか。その一つの答えは、日本で実際に行われた意識調査の結果に表れているようです。

この表をご覧ください。
エシカル意識調査①
意識調査①エシカル製品、消費に対する考え方

これは、2016年に1000人を対象に行われた意識調査の結果です。(20代:10.2%、30代:18.9%、40代:27%、50代:21.9%、60代以上:21.7%)*ちなみに、この調査ではグリーン購入、フェアトレード、スローフード、アニマルウェルフェアをエシカル製品、消費と定義づけています。

上の意識調査①では、エシカル製品、消費に対する考え方が聞かれています。
朱色(賛同する),ピンク色(やや賛同する)がオレンジ色(あまり賛同しない)、青色(まったく賛同しない)、緑色(わからない)を大きく上回っていますね。これによると、約6割の人がエシカル製品、消費にポジティブなイメージを持っているようです。

エシカル意識調査②
意識調査② エシカル製品に対する購入意欲
出典:意識調査①②ともに京都府府民生活部消費生活安全センター

意識調査②では、さらにエシカル製品に対して購入をしたいかということが聞かれています。朱色(積極的に購入したい),ピンク色(時々購入したい)オレンジ色(価格が手ごろであえば購入したい)、青色(よく行く店舗に商品や情報があれば購入したい)、緑色(購入したくない)黄色(わからない)となっていますが、どうでしょうか。

オレンジ色(価格が手ごろであれば、購入したい)がとても目立ちませんか?この結果が表していることの一つは、大半の人がエシカル製品、消費に対してはポジティブなイメージを持っていて、その購入意欲を行動へ移すためには「価格」が重要なキーポイントになっているということですね。

さて、いよいよ次回はエシカルをかんガエル🐸第一弾の後編です。ポルトガルとブラジルのエシカルな○○とは?をお届けします!!
おたのしみに🐧

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