「タバコのポイ捨ては、ダメ。」の本当の理由。

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世界中のビーチで最も拾われているゴミとは?
日本を含めて世界中で今、問題になっている海洋プラスチック汚染。
昨年の秋に、オーストリアのウィーン医科大学の胃腸病学者が発表を行った、「サンプリングをした国籍の異なる8人全員の排泄物から、マイクロプラスチックが検出された」というニュースは、衝撃と同時に、多くの方にとって、「できることから環境にとって何かポジティブなことをしてみよう!」と思うきっかけになったのでは?と思います。(私自身も、その一人です^^)(Business insider)

ところで、「世界中のビーチで、ビニール袋や、プラスチックストローより多く拾われているものがある」という事を知っていましたか?

それは、「タバコの吸い殻」です。(Ocean Conservancy)

ビーチでポイ捨てしなければいいの?
残念ながら、道端にポイ捨てされた場合も、風で海まで飛ばされたり、また、ポイ捨てされたものが、道路でよく見る「側溝」と呼ばれる溝に入ってしまった場合、そこから直接、河川へと流れこんでしまうようです。

私は知らなかったのですが、側溝を通じて雨水管に入ったものは、処理されずにそのまま河川に排出されるそうですね。*分流式の場合。(不動産トラブル弁護士ガイド)ちなみに、日本では、多くがこの分流式のようです。

となると、道端のポイ捨てってかなり危険な行為、、、。ですよね?

たかが、タバコの吸い殻一つ。けれど。。
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ところで、タバコは、一体何でできていると思いますか?

タバコというのは、そのフィルター部分は、酢酸セルロースと呼ばれる、一種のプラスチックでできているそうです。そのため、どんなに時間が経過したとしても、海の中では完全に分解はされないとも言われています。 (Ocean Conservancy)

では、完全に分解されなかったタバコのフィルターは海の中で、どうなってしまうのでしょうか。それは、ビニール袋、ペットボトルといった他のプラスチック製品と同様、太陽光、海の波などで細かく砕かれ、最終的にマイクロプラスチックへと変わっていく、、、。ということですね。

タバコの吸い殻がもたらすものは、マイクロプラスチック問題だけではありません。タバコが持つその有毒性は、海・河川の中でも、問題になっています。サンディエゴ州立大学の研究では、たった1本のタバコの吸い殻を入れた水(1リットル)は、海産魚や淡水魚を死へと至らせる程有毒なものになることが示されています。
(Guardian)

タバコの吸い殻をなくそう!!キャンペーン
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出典:o Projeto Mundo sem BITUCAS

ブラジルのサントス。ここは、コーヒーや大豆等の輸出拠点で有名な湾岸都市です。
そんなサントスで、今、ユニークなキャンペーンが行われています。

キャンペーンの名前は、o Projeto Mundo Sem BITUCAS(日本語訳:タバコの吸い殻をなくそうプロジェクト)。彼らが行っていることは、町や海でタバコの吸い殻を拾うことだけではありません。

彼らのミッションは、喫煙者も非喫煙者も関係なく、より多くの人に、タバコの吸い殻が与える社会・環境への影響について関心をもってもらうということです。

学校で、生徒や先生、職員を対象に講義・ワークショップ等を行ったり、講演会では、喫煙者・非喫煙者を交えながら意見交換を行うことで、多くの人を巻き込みながらタバコの吸い殻(ポイ捨て)問題についての解決策を探っています。

Youtubeには、正しいタバコの捨て方を歌(ラップ調)にのせて、啓蒙しているグループの姿が見れます。この音楽が、意外と(?)かっこよく仕上がっていて、「なんだか楽しそう!」と思わせてくれます。今後、どのように展開されていくのかが楽しみではありませんか?

タバコの吸い殻が、何かに変わる・・・?
また、ブラジルではタバコの吸い殻をリサイクルする動きも出ています。

ある調査によると、サンパウロ州では1日約3,400万本のタバコがポイ捨てされているという集計もあるそうです。3,400万本。。。

なんだか想像しにくい数字ですが、その数というのは、70平米(家族3~4人で暮らすことができる広さ)の部屋を埋め尽くすことができるそうです。(Ciclo vivo)そんな中、サンパウロ州にある島・イーリャベーリャでは、最近、島全体でとあるプロジェクトを進めていくことを表明しました。

それは、タバコの吸い殻をきちんと回収し、集めたタバコの吸い殻をリサイクルするという取り組みです。

吸い殻をリサイクル?

そうなんです。回収されたタバコの吸い殻は、ブラジルのブラジリア大学が開発した技術を使い、セルロース繊維へと変わり、紙の原料になります。最終的には、ノートや、手帳等にも使える紙になるそうですよ。(Tamoios news)
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出典:Tamoiosnews: 島では、72箱の吸い殻回収箱が設置され始めました。

ポイ捨てを防止するために、道に回収箱を設置する。そして、吸い殻をリサイクルし、紙の原料へと変えていく。なるほど、中々画期的な取り組みだと思いませんか?

もっとも、環境にとっても人にとっても良い選択とは、「吸わない」こと。ですけれどね!

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