知られざるサステイナブルな島~ポルトガル・アソーレス諸島~(前編)
サステイナブルな島・アソーレス諸島

アフリカ大陸・モロッコとヨーロッパ大陸・ポルトガルの間には、小さな群島があります。
その群島は、ポルトガル領であるアソーレス諸島です。
もしかしたらサッカーに詳しい方なら、アソーレス諸島と聞いて、元ポルトガル代表のペドロ・パウレタ選手を思い浮かべるかもしれません。(ちなみに、クリスチアーノ・ロナウド選手は、ポルトガル領のマデイラ諸島出身ですね^^)実は、広大な自然に恵まれたこのアソーレス諸島は、世界持続可能観光委員会(Global Sustainable Tourism Council)によって、群島として世界で初めてサステイナブルな観光地として認定された島でもあります。
そんなサステイナブルな場所として国際委員会から認定されたアソーレス諸島の1つであるサンミゲル島(アソーレス諸島は、主に9つの島から成り立っています。)に、この度私は行ってきました。
旅の目的は、「サステイナブルな観光地」を実際に見てみるということ、そして「クレザソール」を訪れることでした。

(写真:クレザソールのエリザベッチさんと筆者)
クレザソール(協同組合)とは?
クレザソールは、2000年に設立された協同組合です。この組合には、サステイナブルな農業の実践/教育支援から移民、障碍者、薬物依存症患者の支援、そしてローカルビジネスを対象にしたビジネス支援、文化保全事業等、実に様々な分野で活動を行っている団体が所属しています。現在、クレザソールには、27の団体が所属していて、現行の経済システムでは考慮されにくい部分(経済活動に伴う環境へのダメージ、ソーシャルインクルージョン)を汲み取り、サステイナブルな社会への実現に向けてプロジェクトを実施しています。
サンミゲル発・サステイナブル認証マーク「コーレス(CORES)」
(出典:CRESAÇOR)
"わたし(たち)の仕事は、この広大な海の中の一滴のしずくのようなものだと思います。でもわたし(たち)の仕事がなければ、その海はどんどん小さくなってしまいます”(クレザソールのメンバー)
クレザソールの事務所を実際に見学させてもらって、気づいたこと。それは、ここで働いているひとたち全員が、誇りをもって働いているということでした。

(写真:クレザソールで働く専属デザイナー:クレザソールで発行される印刷物、商品パッケージの担当をしています。)
例えば当日、私のお世話を1日してくれた、エリザベッチさん。
彼女はここで、サステイナブル認証マーク審査の仕事に関わっています。
具体的には、認証マークの取得を希望する複数の団体に対して、クレザソールが設けた基準を満たしているか等を日々審査しています。
彼女は、数年前に他業種(元は、エコノミストでした。)から転職し、「数字だけではなく、より直接、人の人生や社会を変える可能性を秘めているこの仕事に、誇りを持っている」と私に語ってくれました。
ところで、認証マークと聞くと、国際的な認証マークを思い浮かべますが、クレザソールは島内でのサステイナブルな社会の実現に向けた、独自の認証マーク(正式名称:CORES)を発行しています。
独自の認証マークを持っているという時点でユニークな取り組みだと思いますが、この認証マークが優れている点はそれだけではありません。通常、認証マークを取得するためには申請団体側が登録料等を支払うことが多いのですが、クレザソールでは認証マークを取得するための登録料を設定していません。そこには、より多くの団体が認証マーク取得に向けてアクセスしやすいようにという想いが込められているからです。
認証マークが持つ役割とは?

サステイナブルな社会を実現していく上で認証マークが持つ役割とは何でしょうか。
例えば、フェアトレード認証マーク。自分が普段購入するチョコレートの原料であるカカオやコーヒー豆等の見えない生産工程中に児童労働や労働搾取が存在し、その原料を使ったがために最終製品の価格が安くなったという事実があれば、、、どんなに安くても購入をためらってしまいますよね。
経済がグローバル化し、様々な国から原料を輸入・加工しながらできあがる商品に対して、
どのような労働環境で商品ができあがったかまでをを知ることは正直、容易ではありません。
ただそれを、可能な限り明らかにする役割を担っているいるのが、認証マークです。フェアトレード認証は、労働者を搾取せずに、労働者に対して適正価格を支払っていることを証明するラベルです。この認証マークがあることで、消費者側は、労働者搾取を行っていない商品を知ることができ、またその商品を選ぶことで、労働者搾取に関与しない、より良い社会のために自分が関わっていく(応援する!)という選択ができます。
このクレザソールが発行している認証マークも、他の認証マークと同様な役割を持っていています。このマークは、島内でつくられた商品・サービスが社会/環境的にサステイナブルなものと認定されたものに対して発行されます。そして、この認証マーク付きの商品・サービスを購入することで島の住民は、島内のサステイナブルな社会に向けた取り組みを応援することができるというしくみになっているのです。

(出典:CRESAÇOR:クレザソールの認証マークをサンミゲル島内で認知させるために行った宣伝広告)
それでは一体、どのような商品が認証マークをもらっているのでしょうか。
次回、実際の現場をレポートします!

アフリカ大陸・モロッコとヨーロッパ大陸・ポルトガルの間には、小さな群島があります。
その群島は、ポルトガル領であるアソーレス諸島です。
もしかしたらサッカーに詳しい方なら、アソーレス諸島と聞いて、元ポルトガル代表のペドロ・パウレタ選手を思い浮かべるかもしれません。(ちなみに、クリスチアーノ・ロナウド選手は、ポルトガル領のマデイラ諸島出身ですね^^)実は、広大な自然に恵まれたこのアソーレス諸島は、世界持続可能観光委員会(Global Sustainable Tourism Council)によって、群島として世界で初めてサステイナブルな観光地として認定された島でもあります。
そんなサステイナブルな場所として国際委員会から認定されたアソーレス諸島の1つであるサンミゲル島(アソーレス諸島は、主に9つの島から成り立っています。)に、この度私は行ってきました。
旅の目的は、「サステイナブルな観光地」を実際に見てみるということ、そして「クレザソール」を訪れることでした。

(写真:クレザソールのエリザベッチさんと筆者)
クレザソール(協同組合)とは?
クレザソールは、2000年に設立された協同組合です。この組合には、サステイナブルな農業の実践/教育支援から移民、障碍者、薬物依存症患者の支援、そしてローカルビジネスを対象にしたビジネス支援、文化保全事業等、実に様々な分野で活動を行っている団体が所属しています。現在、クレザソールには、27の団体が所属していて、現行の経済システムでは考慮されにくい部分(経済活動に伴う環境へのダメージ、ソーシャルインクルージョン)を汲み取り、サステイナブルな社会への実現に向けてプロジェクトを実施しています。
サンミゲル発・サステイナブル認証マーク「コーレス(CORES)」

(出典:CRESAÇOR)
"わたし(たち)の仕事は、この広大な海の中の一滴のしずくのようなものだと思います。でもわたし(たち)の仕事がなければ、その海はどんどん小さくなってしまいます”(クレザソールのメンバー)
クレザソールの事務所を実際に見学させてもらって、気づいたこと。それは、ここで働いているひとたち全員が、誇りをもって働いているということでした。

(写真:クレザソールで働く専属デザイナー:クレザソールで発行される印刷物、商品パッケージの担当をしています。)
例えば当日、私のお世話を1日してくれた、エリザベッチさん。
彼女はここで、サステイナブル認証マーク審査の仕事に関わっています。
具体的には、認証マークの取得を希望する複数の団体に対して、クレザソールが設けた基準を満たしているか等を日々審査しています。
彼女は、数年前に他業種(元は、エコノミストでした。)から転職し、「数字だけではなく、より直接、人の人生や社会を変える可能性を秘めているこの仕事に、誇りを持っている」と私に語ってくれました。
ところで、認証マークと聞くと、国際的な認証マークを思い浮かべますが、クレザソールは島内でのサステイナブルな社会の実現に向けた、独自の認証マーク(正式名称:CORES)を発行しています。
独自の認証マークを持っているという時点でユニークな取り組みだと思いますが、この認証マークが優れている点はそれだけではありません。通常、認証マークを取得するためには申請団体側が登録料等を支払うことが多いのですが、クレザソールでは認証マークを取得するための登録料を設定していません。そこには、より多くの団体が認証マーク取得に向けてアクセスしやすいようにという想いが込められているからです。
認証マークが持つ役割とは?

サステイナブルな社会を実現していく上で認証マークが持つ役割とは何でしょうか。
例えば、フェアトレード認証マーク。自分が普段購入するチョコレートの原料であるカカオやコーヒー豆等の見えない生産工程中に児童労働や労働搾取が存在し、その原料を使ったがために最終製品の価格が安くなったという事実があれば、、、どんなに安くても購入をためらってしまいますよね。
経済がグローバル化し、様々な国から原料を輸入・加工しながらできあがる商品に対して、
どのような労働環境で商品ができあがったかまでをを知ることは正直、容易ではありません。
ただそれを、可能な限り明らかにする役割を担っているいるのが、認証マークです。フェアトレード認証は、労働者を搾取せずに、労働者に対して適正価格を支払っていることを証明するラベルです。この認証マークがあることで、消費者側は、労働者搾取を行っていない商品を知ることができ、またその商品を選ぶことで、労働者搾取に関与しない、より良い社会のために自分が関わっていく(応援する!)という選択ができます。
このクレザソールが発行している認証マークも、他の認証マークと同様な役割を持っていています。このマークは、島内でつくられた商品・サービスが社会/環境的にサステイナブルなものと認定されたものに対して発行されます。そして、この認証マーク付きの商品・サービスを購入することで島の住民は、島内のサステイナブルな社会に向けた取り組みを応援することができるというしくみになっているのです。

(出典:CRESAÇOR:クレザソールの認証マークをサンミゲル島内で認知させるために行った宣伝広告)
それでは一体、どのような商品が認証マークをもらっているのでしょうか。
次回、実際の現場をレポートします!