めがねをはずして、旅にでる。*インタビューをしました

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しばらく旅にでていないと、どこかに旅をしたくなる。
そんな瞬間て、ありませんか?
旅の目的は人それぞれ。思い出も人それぞれ。
旅で何をするかも大事ですが、良い旅にするためにはホテル選びも大事にしたいところ。

ところで、旅先のホテルを選ぶポイントって何でしょうか。
誰もが抑えたいポイントとしては、価格、ロケーション、部屋の内装等だと思いますが、
そこにもう一つ、プラスしたいポイントがあります。
それは?

船+家=?

CASAS DA RIA
出典:Casas da Ria

今年の10月に、ポルトガルのアルガルヴェ地方に一軒の宿が誕生しました。
宿の名前は、「Casas da Ria」。Casas da Riaは、野生動物の聖地ともいわれているRia Formosaにあります。この宿は、水面にひっそりと浮かぶ一軒家のような宿です。
実はこの宿、「水面にある」だけではなく、普通の宿とはちょっぴり違う宿なのです。

「長年、このような宿を自分たちの生まれ育った町でオープンさせするのが夢だったんです」と語るCasas da Riaのオーナーは、 ペドロさんとマリーナさん。2人は兄弟で、この宿を経営しています。

まず、目を引くのがこの宿の外観。家と船を融合させたようなこのモダンな建築は、外壁にコルクを使用することで、
ナチュラルモダンを見事に体現しています。

宿の中には、寝室(2人用)、浴室(トイレとシャワー)、キッチンスペースが備わっており、キッチンの一部を簡易ベットに変えることで最大4名がこの宿に宿泊できるそうです。ちなみにですが、興味がある人は宿泊者でなくとも、ここでブランチを頂けるそうです。ここでの楽しみを宿泊者だけに限定しないというのも、うれしい心遣いですね。

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出典:Casas da Ria

毎回、見える景色が違う?

この宿が停泊する場所は、いつも同じ場所とは限らないそうです。
季節やその時の天候等によって行えるアクティビティや、楽しみ方も変わってくるので、状況を見て決めるそうです。
夏は泳いだり、春や秋は野生動物に遭遇できる場所を散策したりなど、季節ごとに違う楽しみ方ができるようです。

’’宿の装飾品は必要最低限。カーテンを開ければ、
ここには装飾品というものがそんなにいらないということが分かるよ。’’


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出典:Casas da Ria

この宿自慢のバルコニーにでれば、一年の半分以上は暖かく過ごしやすいわれる
アルガルヴェ地方の自然を十分に堪能できることは、間違いないでしょう。デッキの上で日光を浴びながら、自分のぺースで本を読むのもいいですし、自然豊かで、野生動物も多くいるRia Formosaのパノラマを360度好きな角度で眺めるというのも、贅沢な過ごし方です。
じっくりと、自然と向き合う時間。これこそ、至福の時ですね。

自然へのリスペクト
Respeitar a natureza

モダンと自然が調和した宿。それは、建物にだけではなく、宿のビジョンにもしっかりと
表れているようです。実はこの宿、エネルギーは自給自足しているのです。降り注ぐ太陽の光を有効活用し、ソーラーエネルギーとして利用をしています。また、エネルギーの自給自足だけではなく、自家排水処理設備も持ち合わせているので、安心してトイレやシャワーを利用できるのも宿泊者にとってはうれしい点です。

この宿では、これ以外にボディーソープや洗剤といったものは、生分解性のあるものを採用していたり、
使い捨て容器等は極力使用しないようにすることで環境負荷低減に努めているようです。
*どうしても使い捨て製品を使用しなければいけない場合には、使用後、リサイクルのために回収しているとのこと。

10月にオープンしたばかりですが、自然が好きで環境意識を持っているお客さんが既に泊まりにきてくれているようです。
今のところはポルトガル人のお客さんが多いようですが、「興味がある方はどなたでもRia Formosa、そしてこの宿を知りに来てください」と語ってくれました。


サステイナブル(持続可能であること)が必要とされる理由

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「革新的(イノベーション)でいて、且つサステイナブルな宿をつくりたかったんだ」と語るオーナー。今でこそ、サステイナブルという言葉は、よく聞きますね。ただ、なぜサステイナブルという言葉が、色々なところで聞かれるようになったのでしょうか。

おそらく、「自然」の大切さについては多くの方が認識されているかと思います。
生きるために必要不可欠なきれいな空気も、水も、「自然」が今日まで存在してくれているからこそ、ですしね。
ただ、つい忘れがちになってしまうのが、この自然は「無限」ではなく、「有限」であるという事実。

例えば、水。地球の表面は71%の水で覆われていると聞くと、「そんなに、あるの?」と思ってしまいますが、その内訳は海水(=飲めませんね。)が96.5%、それ以外が淡水(=人間も利用可能)だそうです。水は、ついつい無限にあると思ってしまいがちですが、人間が使用できる水という観点で見ると、たったの数パーセントなんですね。

そしてさらに踏み込むと、その数パーセントの多くは深い地下層にあるため人間が簡単には使えるものではないそうです。それでは、一体人間が利用できる水(飲み水や料理に使う水等)って、どれだけあるのでしょうか。

アメリカ地質調査所が発表しているデータによると、その量は、93.113㎦。地球の直径にあてはめると、約56Kmだそうです。つまり、地球上に住んでいる人(動物もですね!)が利用できる水は、直径にすると、56Kmしかないということなのです。
(USGS:https://water.usgs.gov/edu/earthhowmuch.html)

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シンプルな事実。それは、自然は無限ではなく、有限であるということ。
だからこそ、今だけではなく、未来を見据えた行動(=サステイナブル)が必要とされているのではないでしょうか。

サステイナブル≠高い

エシカル、サステイナブルなことって高いというイメージありませんか?
確かにエシカル製品に代表されるようなフェアトレード製品やオーガニック製品って、普通の製品と比べると、安くはありませんよね。

それには理由があると思います。例えば、開発途上国の生産者の方に対して適正な賃金を支払っていたり、使う原料、素材(=農薬の使用を可能な限り抑える=手間やコストがかかる)にこだわっている等。

それでも、企業努力(工夫)を忘れていない企業さんは、存在すると思います。

 例えば、ご紹介した宿(Casas da Ria)。値段を見てみると、ローシーズンだと一泊190ユーロだそうです。約24,000円です。
(1ユーロ=128円で計算した場合)ちょっと「高い」と感じてしまいますが、実は、この値段は宿泊者でシェアできるそうです。つまり、4人で泊った場合は一人あたり¥6,000で泊れるとのことです。こんな素敵な宿に¥6,000円で泊れるのであれば、、、
高くはないですよね?
本当のサステイナブルなビジネスって、「売りてよし、買い手よし、世間(環境、社会)よし」のいわゆる三方よしのことなのかもしれません。

さて、みなさんは次の旅の計画は立てられていますか?
もし次回、旅をされることがあれば、いつもとは少し違うポイントでホテルを選んでみてはいかがでしょうか。そしていつもの選ぶ基準に「サステイナブル」という観点が加われば、、、。
きっと、新たな発見がそこには、あるはずです。

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